ようやく退任の広陵・中井監督は氷山の一角…首筋冷たい日本全国“時代遅れ”強豪校の面々

公開日: 更新日:

敷地内に寮の密室

「寮が学校の敷地内にある強豪校は、いくつかあります。代表的なのは、大阪桐蔭、明徳義塾(高知)、浦和学院(埼玉)あたり。今夏甲子園で決勝進出した日大三(東京)のような成功例はあるものの、部員は24時間、学校や部の監視下に置かれている。ただでさえ息が詰まるうえ、たとえば大阪桐蔭では、携帯、スマホの使用が禁止されているうえ、1年生部員は入部から数カ月、よほどの事情がない限り、親との連絡さえできないと聞きました。食トレと称して指導者の監視のもと、大量の食事を取らせるケースもある。昨今の中学生は、自由度を重視する傾向がある。丸刈り頭や高圧的な指導を嫌うのはもちろん、何かと制約が多い高校は敬遠されがち。そうした事情もあって、東海大相模(神奈川)などは寮を学校の敷地内から外に移転したほどです」(前出のスポーツライター)

 かつて絶対的な強さを誇った大阪桐蔭も、近年は生徒集めに苦戦しているという。

「他校に決まっている中学生を強引に勧誘する手法に限界が来ているのは確かです」とは、さる中学野球関係者だ。

横浜(神奈川)、健大高崎(群馬)などが人気を集める一方、中学のボーイズ、シニアなどの指導者の間で、大阪桐蔭の指導力、育成力が疑問視されているのは確か。2018年に春夏連覇を達成し、鳴り物入りでプロ入りした根尾昂をはじめ、近年は大阪桐蔭出身のプロ野球選手が軒並み苦戦している。19年に明徳義塾中から“強奪”した関戸康介投手は、最速154キロを誇り、プロ入りが確実視されていたものの、故障や不振に悩み、3年時は夏の大阪大会で一度も登板できなかった。20年に入学した千葉・京葉ボーイズ出身の海老根優大外野手も、中学時代は日本代表の常連だったが、レギュラーを掴んだのは3年夏。高卒プロ入りを希望していたが、22年ドラフトでは指名漏れの憂き目に遭った。現在は、社会人のSUBARUに所属しているが、目立った成績を残せていない。関東地方のボーイズ、シニアの指導者からは、『あの海老根でさえ育てられない学校』との声が聞こえてきます」

 今回の広陵の部内暴力問題を契機に、旧態依然の強豪校が岐路に立たされているのは確かだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 2

    巨人が楽天・辰己涼介の国内FA争奪戦に参戦へ…年齢、実績的にもお買い得

  3. 3

    マエケンの「DeNA入り」が急浮上! 古巣広島まさかのNO、巨人はマー君が足かせで動けず

  4. 4

    DeNA次期監督候補に谷繁元信氏が浮上…南場智子オーナーのイチオシ、本人も願ったりかなったり

  5. 5

    ドジャースの“朗希タンパリング疑惑”で大迷惑!米29球団&日本プロ球団こぞって怒り心頭の納得理由

  1. 6

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  2. 7

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」

  4. 9

    ドジャース大谷翔平は“自信のデカさ”も世界一! 二刀流は「自分にしかできない役割」と会見で断言

  5. 10

    メジャー今オフにも「二刀流ルール」撤廃の可能性…ドジャース&大谷翔平に他球団のやっかみ集中

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  2. 2

    マエケンの「DeNA入り」が急浮上! 古巣広島まさかのNO、巨人はマー君が足かせで動けず

  3. 3

    DeNA次期監督候補に谷繁元信氏が浮上…南場智子オーナーのイチオシ、本人も願ったりかなったり

  4. 4

    サッカー界で囁かれる森保J・長友佑都の“お役御免”と大物選手の代表復帰

  5. 5

    参政党の党勢拡大に早くも陰り…「聖地」加賀市で“親密”現職市長が惨敗落選の波乱

  1. 6

    公明党が「自民との連立離脱も辞さず」の背景…まさかの“国政撤退”もあり得る深刻事情

  2. 7

    巨人が楽天・辰己涼介の国内FA争奪戦に参戦へ…年齢、実績的にもお買い得

  3. 8

    ドジャースの“朗希タンパリング疑惑”で大迷惑!米29球団&日本プロ球団こぞって怒り心頭の納得理由

  4. 9

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  5. 10

    草間リチャード敬太容疑者が逮捕…コンビニバイトと掛け持ちの苦労人だったが横山裕のセレクトに難あり?