今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

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 たった数週間の空白が、互いの間によそよそしい雰囲気をつくってしまう。それだけ、これまで濃密な時間を過ごしたということなのだろう。改めて中日で一緒にユニホームを着た8年間の長さ、重さを感じざるを得なかった。

 すべては一本の電話から始まった。オレが横浜の投手コーチを務めていた03年。シーズン終了間際のことだ。横浜スタジアムでの中日戦を終え、都内の自宅に戻る途中に携帯電話のバイブレーションが震えた。車を路肩に寄せてディスプレーを確認すると、知らない番号が表示されている。

「おう、久しぶり」

 通話ボタンを押し、受話器から返ってきた声に聞き覚えがない。

「あ!? 誰や?」

 と、オレ。

「オレだよ、落合。落合だよ」

 おちあい? そう言われてもピンとこなかったのは、現役時代も含めてほとんど接点がなかったからである。

 1歳上の落合さんとは78年のドラフトで指名された同期入団。落合さんが東芝府中、オレが住友金属に所属していた社会人時代、ともに全日本に選ばれて海外遠征にも行ったことがあるとはいえ、プロ入りしてからは飯を食いに行ったり、酒を飲みに行ったり、そういう付き合いは一度もなかった。もちろん、電話がかかってきたのは、これが初めてだった。

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