今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

公開日: 更新日:

「だったら、手伝えよ。また、連絡するから」

 野球教室の手伝いか何かだと思ったオレは、「いいですよ」と安請け合いして電話を切った。

 翌日、再び電話があった。

「そういうことで、投手コーチとして頼むぞ」

「えっ!? 監督やるんですか? どこで?」

「言ってなかったっけ?中日だよ、中日。まだ誰にも言うなよ」

 中日は途中休養していた山田久志監督、その後に監督代行を務めていた佐々木恭介ヘッドコーチの退団が決まり、スポーツ紙は連日のように次期監督候補の名前を報じていた。落合さんからの最初の電話の前日には、野村克也さんの名前が大々的にマスコミで取りざたされ、ノムさんがやるのか、とオレも他人事でスポーツ紙を眺めていた。よもや、落合さんが中日の監督になり、オレが手伝うことになるとは……。

■秘密主義のきっかけ

 落合さんには固く口止めされたが、翌日には系列スポーツ紙に記事が出ていた。マスコミと球団とはそういうものなのか。「中日はそういうとこだよ」と落合さんは言っていた。落合中日は秘密主義のように言われたが、情報がダダ漏れでは戦えない。今思えば、あのときから、落合さんはマスコミには余計なことは話さないと決めたのではないか。(この項つづく)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  3. 3

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  3. 8

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  4. 9

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」

  5. 10

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  3. 3

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  4. 4

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  5. 5

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  1. 6

    12月でも被害・出没続々…クマが冬眠できない事情と、する必要がなくなった理由

  2. 7

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  4. 9

    黄川田地方創生相が高市政権の“弱点”に急浮上…予算委でグダグダ答弁連発、突如ニヤつく超KYぶり

  5. 10

    2025年のヒロイン今田美桜&河合優実の「あんぱん」人気コンビに暗雲…来年の活躍危惧の見通しも