高校野球の慢性的な過密日程、上等ですよ。どれだけ慌ただしくても春季大会は絶対必要です
しかも現状、その舞台は春・夏・秋のわずか3大会だけ。さらに、その期間にベンチ入りを許されるメンバーにしか出場機会がない。それだけに、選手にとってユニホームに袖を通し、自分だけの番号を与えられることは、我々大人が想像する以上に大きな意味を持っているのです。背番号を付けて、なおかつ公式戦を戦う。この重圧もまた選手の成長に欠かせません。
もし効率だけを優先して春季大会を廃止すれば、3年間一度もユニホームを着られずに終える選手が増えてしまう。お試しで新戦力を起用する機会も失われ、ベンチ入りメンバーはより固定化するでしょう。結果として、「選手の出場機会を増やす」という昨今の高校野球界全体の方針と逆行することになるのです。
過密だからといって安易に削ればいい、というものではありません。幸いにも現時点で高野連が春季大会をどうこうしようという気配はありません。どうかそのままでいていただきたい。
どれだけ慌ただしくても、現場の我々指導者や選手にとっては「心地よい疲労」なのです。過密日程、上等じゃないですか。