「おまえ、見栄えが悪いんだよ。人に勘違いされやすいだろ。実は俺も一緒や。俺、無愛想だろ?」
「……はい」
「俺も見栄え悪いだろ?」
「……はい」
「俺と一緒だな。これからはそう思われないように野球せえよ」
これが野村監督が楽天に来てから初めての会話だった。
翌朝の16日、挨拶すると、「おお」と反応してくれ、そこから次第に少しずつ話せるように。これこそ野村監督が提唱していた人材育成の極意「一に無視、二に称賛、三に非難」の入り口だったといえる。
半月もの間、俺を観察していたという野村監督は、キャンプ中のミーティングでも俺の「サボり」を見抜いていて……。