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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

サウェが1時間59分30秒の世界新記録 97グラム厚底シューズが変えたマラソンの現在地

公開日: 更新日:

 2時間切りは、2019年にキプチョゲが達成している(1時間59分40秒)。周回コースにペースメーカー41人を配置し、厚底の元祖ナイキ社がその威力をアピールするための非公認記録だった。

 レース後、サウェが沿道に対し「みんなの記録」と称えたのは、お世辞ではない。今年のロンドンマラソンの応募者は空前の113万人、参加者は5万9000人。この盛り上がりを受け、ロンドンは来年から2日間で10万人参加という計画をぶち上げている。スポンサーはアシックスだ……これまでのマラソンの概念から一変した大衆の熱気もメーカーを刺激し、記録を後押ししている。

 日本はどうだろう。サウェが勝った昨年のベルリンの2位は、パリ五輪6位の赤崎暁だった。差は4分。頑張っているが差は大きい……。

 マラソンの最大の特徴は、大会の独自性だ。コースも気候も、取り巻く人間の思惑も違えば、道路使用には国それぞれ制限がある。記録や参加人数の比較だけでなく、いかにその大会らしさを出せるか。日本ではどこよりもマラソンの醍醐味が理解されている強みがあると話すのは、東京マラソンの大嶋康弘レースディレクターだ。

「東京らしさを意識しながら、いつか世界記録を狙いたい」

 来年、東京マラソンは生まれ変わって20回目の節目を迎える。焦らずゆっくり期待しよう。

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