「多肉植物図鑑」松山美紗著

公開日: 更新日:

■多肉植物の美しくも不思議な世界に心奪われる

 原産地の降雨量の少なさに対応するため、水を体内に蓄えようと進化した結果、独特のフォルムを得た多肉植物の美しく、そして不思議な世界を案内してくれるカラー図鑑。

 肉厚のぷっくりとした葉を持つ代表が「セダム」。セダムの中にもさまざまな種類があり、「乙女心」の和名を持つ「セダム・パキフィルム」は、紅葉時に葉先だけがピンク色に染まり何とも初々しい。そう、多肉植物も紅葉するのだ(しない種類もあるそうだが)。

 一方の「ハオルシア」類は、強い日差しがある原産地ではそのほとんどが砂に埋もれ、唯一、外に出ている葉先がレンズに進化して光を取り込んでいるという。葉の一枚一枚がしずくのようにぷっくりとした質感をもつ「しずく石」は、とりわけ葉先のレンズの透明感が美しい。

 2枚の葉がひとつになって丸くなった「リトープス」類にいたっては、ひとつの個体から分かれて繁殖するという、植物らしからぬ生態まで見せてくれる。

 その他、つるに丸い葉が規則的に並ぶ「グリーンネックレス」など、ひとつひとつが繊細にデザインされたかのような完璧なフォルムを持ち、見る人を魅了する。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    長嶋一茂は“バカ息子落書き騒動”を自虐ネタに解禁も…江角マキコはいま何を? 第一線復帰は?

  3. 3

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  4. 4

    "お騒がせ元女優"江角マキコさんが長女とTikTokに登場 20歳のタイミングは芸能界デビューの布石か

  5. 5

    【独自】江角マキコが名門校との"ドロ沼訴訟"に勝訴していた!「『江角は悪』の印象操作を感じた」と本人激白

  1. 6

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  2. 7

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 8

    99年シーズン途中で極度の不振…典型的ゴマすりコーチとの闘争

  4. 9

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  5. 10

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール