「人身売買・奴隷・拉致の日本史」渡邊大門著

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■「戦国時代には、農民も生活のため合戦に参加し人や物資を奪って生きてきました」

「戦国時代というと、信長や秀吉など有名な武将にスポットが当てられがちですが、その時代の庶民の暮らしがいかに過酷だったかという、生々しい日本の裏面史も知っていただきたいと思ってこの本を書きました」

 戦国時代の合戦には、農民たちが雑兵として駆り出されたが、実は、農民自身もすすんで合戦に参加していたことがわかってきた。

 当時の主産業である農業や漁業はひとたび自然災害に見舞われると収穫量がガタ落ちになり、人々は飢えに苦しんだ。寛喜2(1230)年の大飢饉(ききん)では人口の3分の1が失われたという。

 そのため、農民たちは生きるために生死をかけて戦争にも参加したのである。戦場では食料、馬、刀など略奪(乱取り)した物資を自分のものにするのが当たり前で、褒賞ほしさに敵の頭や鼻を切り取って数を競った。そのさまは江戸時代初期に集成された甲斐の国の大名武田氏の軍書「甲陽軍鑑」などにも生々しく描かれている。

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