「バードドッグ」木内一裕著

公開日: 更新日:

 主人公は、ヤクザから足を洗って探偵になった矢能政男。縁あって養子としてやってきた小学3年生の娘・栞のためを思い、組からの復帰の誘いを断って堅気の世界で暮らしていた。

 ところが、そんな矢能の元に、燦宮会会長の二木から人捜しの依頼が舞い込んだ。日本最大の暴力団である菱口組系の三次団体である佐村組組長が突然、姿を消したというのだ。暴力団内部の犯行なのか、はたまた何らかの抗争に巻き込まれたのか。策略が働いていることは確かなのだが、警察に依頼することも難しく、かといって普通の探偵では荷が重い調査だけに、元ヤクザの矢能に白羽の矢が立ったのだった。失踪に関わっているかもしれない容疑者は全員ヤクザ。果たして事件の真相は?

 2004年に「藁の楯」で小説家デビューし、同作が昨年映画化された著者による最新探偵小説。だまし合い、探り合いの中で、ヤクザの手口を知り尽くしている矢能ならではの推理が冴える。

(講談社 1500円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  2. 2

    参政党・梅村みずほ議員の“怖すぎる”言論弾圧…「西麻布の母」名乗るX匿名アカに訴訟チラつかせ口封じ

  3. 3

    キンプリ永瀬廉が大阪学芸高から日出高校に転校することになった家庭事情 大学は明治学院に進学

  4. 4

    さらなる地獄だったあの日々、痛みを訴えた脇の下のビー玉サイズのシコリをギュッと握りつぶされて…

  5. 5

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  1. 6

    山本舞香が義兄Takaとイチャつき写真公開で物議…炎上商法かそれとも?過去には"ブラコン"堂々公言

  2. 7

    萩生田光一氏に問われる「出処進退」のブーメラン…自民裏金事件で政策秘書が略式起訴「罰金30万円」

  3. 8

    二階堂ふみ&カズレーザー電撃婚で浮上したナゾ…「翔んで埼玉」と屈指の進学校・熊谷高校の関係は?

  4. 9

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 10

    日本ハム中田翔「暴力事件」一部始終とその深層 後輩投手の顔面にこうして拳を振り上げた