外国人が教えてくれる日本の魅力編

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 本書は、彼の30年にわたる日本経済分析の結晶。アベノミクスは打ち上げ花火政策にすぎないという鋭い舌鋒で、人口減社会に対応するには、GDPに対し15%弱の輸出額(先進国は30%)を増やすべきと説く。その「伸びしろ」を生かすには、外国人相手の観光業が、バラマキの公共投資以上に経済効果がある。400万人の新規雇用、とくに女性の社会参加にもつながるという。

 責任の所在があいまい、前例がないとやらない、分析が足りないなど、耳が痛いが、京都の町家を愛する著者の言葉には説得力がある。

(講談社 840円)

■「ザ・世のなか力」パオロ・マッツァリーノ著

 著者は、イタリア生まれ、現在は千葉県民の戯作者。古本屋が儲からないので、立ち食いそば屋も兼業する「ブオーノそば」を始めたという設定で、近所の30代専業主婦と夫、小学生の息子たちの悩みを聞きながら、解決できそうな本をオススメするという趣向。本の紹介を読みつつ、コントのような会話を楽しめる。


 地球温暖化は本当か嘘か、持ち家と賃貸どっちが得か、体罰は必要か、バナナの皮はなぜすべるのか、ノラ猫と共存するには、など多彩なテーマを多角的に扱っていく。

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