「農的な生活がおもしろい」牧野篤氏

公開日: 更新日:

「今、多くの人たちがこの社会の中で生きづらさを感じています。右肩上がりの時代は、時間がかかっても人もモノも育てようという風潮でした。金融資本主義になった現在は、育てるのではなく、今すでに手にしている者がエライという時代に変わった。それが生きづらさの背景にあるといえるでしょう。他人に評価されながら、他人と共に生きている実感のない社会。特に若者は疲れ切っています。そんな中、かつてのように専業農家になるのではなく、農山村に住みながらも都会とのネットワークを生かして暮らす“農的”な生き方に若者たちが注目し始めているんです」

 自分が持つさまざまな能力や時間、労力を使って「多能」的に働き、暮らしていくスタイルは、会社勤めをし、身の回りのサービスはお金で買う都市的生き方とは対照的な概念だ。

「これまでの田舎暮らしと違う点は、新しい価値を農山村でつくり出すこと、都会を排除するのではなく交流をもちながら新しい経済をつくっていくこと、の2点です。たとえば地元文化をネットなどで発信し、都会の人に遊びに来てもらう。そこで人間関係ができれば経済は生まれます。実際、豊田市の中間山村では、私が関わったプロジェクトをきっかけに間伐材で薪を作ったところ、都心の人が買いに来るようになった。知多半島に移住した若者は、地元農家の自家用野菜の残りを都心で移動販売し、ファンがついたそうです。彼らの年収は200万円程度ですが、とにかく楽しいと異口同音に語っています」

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意