「女王」連城三紀彦著

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 戦後生まれなのに東京大空襲の記憶がある荻葉史郎が、精神科医・瓜木を訪ねるところから物語は始まる。

 幼い頃に記憶喪失で保護され、以来、古代史研究家の祖父・祇介に育てられた史郎は、祖父から聞いた自身の過去を疑っていたのだ。しかも、祇介は旅先で不審な死を遂げた。話を聞いた瓜木は、火事や映画などを見た記憶を混同しているのではないかと当初思ったものの、東京大空襲当時に史郎と会っていたことを思い出す。

 そして17年後、がんに侵された瓜木は、残された時間で史郎の記憶と祇介の死の謎を解くため、史郎と祇介の愛弟子で史郎の妻となった加奈子を誘って京都へと向かう。そこで遭遇したのは、祇介が研究していた邪馬台国の歴史だった……。

 昨年逝去した著者によるミステリー長編。邪馬台国の謎に取りつかれた人間の愛憎劇を壮大なスケールで描いている。最後のインタビューや著者の選んだ本ベスト10も収録。

(講談社 2300円+税)

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