脳のメカニズムに詳しくなろう編

公開日: 更新日:

 さて、いつも女を泣かせている人(うらやましい!)や、女性の涙に悩まされている人にとって、なぜヒトは涙を流すのか、というのは大きなナゾである。

 涙には緊張状態を緩和する化学物質が含まれているという仮説もあるが、おもしろいのは涙のニオイに着目した仮説だ。

 神経生物学者ノーム・ソベル氏の研究チームが、映画を見て泣いた女性の涙を男性に嗅いでもらい、その結果〈女性の涙は、男性の性欲を減退させる〉という結論にたどりつく。実はこの効果は男性の涙にもあると考えられ、〈涙は相手の攻撃性を低下させる〉という。だが、著者はニオイよりも涙の視覚的効果に注目した。ヒトは哺乳類には珍しく顔に毛がないため、涙に気づきやすい。そこで、子どもが親に泣いて訴えるように、相手を庇護してあげたいという思いを高めるために発達したと考えるに至った。

 涙以外にもヒトを不安にさせる出来事は多い。しかし、不安を感じるのは、ヒトが狩猟採集生活をしていた時代からDNAに伝えられた反応なのだ。狩猟採集民に死をもたらすのは、毒蛇、猛獣、落雷、樹上からの落下、溺死など。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然