脳のメカニズムに詳しくなろう編

公開日: 更新日:

 なぜヒトは他の動物と違うのか?なぜ心があるのか? 人間の脳に関する研究が進んで、かなりのことが解明されてきた。脳の働きのメカニズムが分かれば、認知症を防ぐことだってできるのだ。ということで、脳のメカニズムの最新研究成果を伝える新刊をご紹介。

 歴史マンガは人気があるが、なぜ教科書の説明よりマンガの方が分かりやすいのか、ヒトはなぜ涙を流すのかといった日常的な視点から説明してくれるのが「ヒトの脳にはクセがある」(小林朋道著 新潮社 1100円+税)だ。

 われわれは文字を読んでその意味を理解する、ということを普通にやっているが、実はこれはけっこう高度なことなのだ。物の形を認知するのは大脳の〈視覚野〉、声で話される言語を認知するのは〈ブローカー野〉で、別々の領域だが、視覚野で認識された文字を〈39・40野〉が音情報に変換し、ブローカー野に入力してくれるから、我々は文字を理解できるのだ。文字の読み書きができない読字障害の人は、この〈39・40野〉がほとんど働いていないという。

 だが、〈39・40野〉は学習の結果、構築された回路であって、直接、視覚野にアピールする絵や図のほうがはるかに分かりやすい。だから、マンガの方が分かりやすいのだ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然