【マイナンバー制度】いよいよ開始されるマイナンバー制度。それで何が変わるのか?

公開日: 更新日:

「パーソナルデータの衝撃」城田真琴著

 マイナンバーは究極の管理システムではないのか。そんな疑問を持つ人も少なくないはず。本書はずばり「一生を丸裸にされる『情報経済』が始まった」と説く。著者は野村総研の上級研究員。

 いまだってポイントカードでふだんの消費行動は逐一追跡されており、そこで蓄積された膨大なデータが売り買いの対象にされつつある。しかし「××町のコンビニで○○を買った」という情報は本来、消費者自身のもの。著者は個人データを収集している企業中心の社会から、データを生み出している消費者自身が中心になる社会へのシフトが必要だという。日本では個人情報保護法の改正案が通常国会を通過し、来年1月から監視機関が発足するものの、それらとの兼ね合いも要検討。単なる制度変更だけでなく社会デザインの概念からの変化が必要だから一朝一夕にはいかない。

 本書はアメリカの例などをコラム形式で豊富に紹介しながら、いかに企業中心から消費者中心への移行を実現させるか議論している。(ダイヤモンド社 1800円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い