「陽気なギャングは三つ数えろ」伊坂幸太郎著

公開日: 更新日:

 人の嘘を見抜くのが得意な人間嘘発見機「成瀬」、よどみなく言葉を紡ぐ演説の達人「響野」、動物をこよなく愛し動物園に足しげく通うスリの天才青年「久遠」、抜群のドライビングセンスとコンマ1秒単位の体内時計を持つ女性「雪子」は、人を傷つけないことをポリシーとする。

 そんな天才強盗4人組が2年ぶりに銀行に押し入り、あざやかな手さばきで仕事を片付けるはずが、追ってきた警備員の警棒が久遠の左手に当たり、思わぬ負傷をしてしまう。

 しかも、スキャンダルを嗅ぎまわるハイエナ記者・火尻が暴漢に襲われている場面に偶然遭遇し、助けてしまったばかりに左手の負傷を感づかれて付きまとわれる羽目に。さらに4人組の周囲に不穏なトラブルまで頻発し始める。果たして彼らは窮地を脱出することができるのか。
「陽気なギャングが地球を回す」「陽気なギャングの日常と襲撃」に続くシリーズ第3弾。9年ぶりの新作とあって発売するなり発行部数17万部を記録し、シリーズ累計ではすでに180万部を突破している。個性的なキャラクター4人組が繰り広げる軽妙洒脱なやりとりが楽しい。(祥伝社 840円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性