「総理にされた男」中山七里著

公開日: 更新日:

 売れない舞台役者の加納慎策は、今をときめく総理大臣の真垣統一郎と声も姿もうり二つで、その物まねはひそかに話題になっていた。そこへ突然2人の男が現れ、慎策を拉致。行く先は首相官邸で、待ち受けていたのは官房長官の樽見だった。実は、真垣総理は重篤の病にかかっていて予断を許さない状況だという。

 発足間もない真垣政権にとって政治的空白をつくることは致命的。動画サイトで慎策の物まねを見た樽見は、慎策に総理の影武者をやらせることを思いついたのだという。この突拍子もない申し出に面食らうが、将来の保証を約された慎策は引き受けることに。慎策の友人の政治学者・風間を知恵袋として極秘プロジェクトがスタートする……。

 なんとも荒唐無稽な設定だが、背景は現在の日本の政治状況がほぼ忠実になぞらえられており、政治家たちの生態、法案の成立過程などがリアルに描かれていく。原発問題、官僚の人事権、自衛隊の海外邦人救出活動などアクチュアルな事柄も取り上げ、問題提起をする、エンターテインメントな政治小説。

(NHK出版 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網