「総理にされた男」中山七里著

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 売れない舞台役者の加納慎策は、今をときめく総理大臣の真垣統一郎と声も姿もうり二つで、その物まねはひそかに話題になっていた。そこへ突然2人の男が現れ、慎策を拉致。行く先は首相官邸で、待ち受けていたのは官房長官の樽見だった。実は、真垣総理は重篤の病にかかっていて予断を許さない状況だという。

 発足間もない真垣政権にとって政治的空白をつくることは致命的。動画サイトで慎策の物まねを見た樽見は、慎策に総理の影武者をやらせることを思いついたのだという。この突拍子もない申し出に面食らうが、将来の保証を約された慎策は引き受けることに。慎策の友人の政治学者・風間を知恵袋として極秘プロジェクトがスタートする……。

 なんとも荒唐無稽な設定だが、背景は現在の日本の政治状況がほぼ忠実になぞらえられており、政治家たちの生態、法案の成立過程などがリアルに描かれていく。原発問題、官僚の人事権、自衛隊の海外邦人救出活動などアクチュアルな事柄も取り上げ、問題提起をする、エンターテインメントな政治小説。

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