「ニッポンぶらり旅 熊本の桜納豆は下品でうまい」太田和彦著

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 酒と肴を求めて各地を旅する酒場紀行第3弾。

 11年の暮れ。所用で出かけた大阪では、日本橋黒門市場に直行。「あさひ」の名物の「カレー天ぷらうどん」に舌鼓を打ちながら、先客の傘についた阪神タイガースの虎マークを見て、大阪人のカレーうどん好きの訳に気が付いた。黒い丼に黄色のカレー汁は、まさにタイガースカラーだからだと。黒門市場散策後は、道頓堀の古い風情の庶民フグ屋「与太呂」へ。ちりなべとひれ酒を「一心不乱夢中忘我茫然自失霞目鼻水」状態で楽しむ。

 その他、熊本では馬刺しと納豆を組み合わせた「桜納豆」で馬力をつけ、仙台でなじみの店の再開に安堵する。左党必読、出張のお供にも好適。

(集英社 600円+税)

【連載】文庫あらかると

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