「性のタブーのない日本」橋本治著

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 明治以前の日本には性表現や性に関してのタブーはなく、その代わりにモラルがあったと著者は言う。古事記から、歌舞伎や浄瑠璃、浮世絵などに描かれてきた奔放な性表現を読み解きながら、日本の性文化をたどる異色の日本論。

 古事記のイザナギとイザナミの男女二神が性交によって日本を誕生させる場面を例に、そこに猥褻感がないのは、行為を具現化する性器の名称がなく、「性交をする」に該当する個別の動詞も存在しないからだと解説。一方で、平安時代に書かれた延喜式の大祓の祝詞が列挙する近親相姦などの罪は性的タブーではあるが、そのジャッジは神や国家が下すものではなく、国民の間で自然発生的に理解されている高度な文化だとも。博覧強記の著者が独自の視点で日本の性文化の歴史を遡る。(集英社 780円+税)

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