「海と月の迷路」大沢在昌著

公開日: 更新日:

 昭和34年、警官の荒巻は、「軍艦島」と呼ばれる炭鉱の島の派出所に赴任。5000人以上もの人々が暮らす島で起きるもめごとは、外勤と呼ばれる炭鉱会社の職員が処理し、警察の出番はなかった。赴任から1カ月後、中学2年の女子生徒が水死体で見つかる。検視の結果、異常は見当たらず、事を荒立てたくない外勤は事故による水死と断定する。腑に落ちず、独自に調べを続けていた荒巻は、ある人物から助言を受け、検視に立ち会った看護婦に改めて聞くと、遺体の髪の毛の一部が切り取られていたことが分かった。さらに8年前に水死した女性の遺体の髪の毛も同様に切り取られていたのだ。

 昨年の吉川英治文学賞受賞作品のノベルス版。(講談社 1300円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?