「墓標なき街」 逢坂剛著

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 テレビドラマ化され、劇場版も封切られた逢坂剛の小説「百舌」シリーズの最新作。千枚通しで延髄をひと突き、相手を即死させる危険な殺し屋「百舌」はまた蘇ったのか。かつて「百舌」と死闘を繰り広げた登場人物たちが新たな事件に挑む。

 東都ヘラルド新聞の編集委員・残間龍之輔は、昔の上司でオピニオン雑誌「ザ・マン」の編集長・田丸清明に、殺し屋「百舌」が関わった事件について原稿を書いてくれと頼まれる。かつて田丸自身が握りつぶした記事を、なぜ、今また書かせようとするのか。隠れた意図がありそうだ。

 一方で残間は、旧知の私立探偵、大杉良太にある人物の尾行を依頼する。相手は武器の不正輸出を電話で内部告発してきた男だった。

 それぞれが、一見何の関係もなさそうな調査を続けるうちに、「百舌」の影がちらつき始める。関係者が襲われ、ついに死者が出た。そばには百舌の羽根が一枚、残されていた。

 巧妙な手口で行われている不正武器輸出の背後で糸を引く黒幕は誰か。黒幕と百舌の接点が見えたとき、驚くべき真相が明らかに。

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