「わが心のジェニファー」浅田次郎著

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 幼い頃に父母が離婚し、元軍人で日本嫌いの祖父に育てられた米国人青年ラリー。日本人がいかに油断のならない人種かを聞かされ育ってきたにもかかわらず、連れ添いたいと思いプロポーズした女性・ジェニファーは、大の日本好きだった。

 彼女は同じ価値観を共有したいということを理由に、結婚する条件としてラリーに日本への一人旅を提案する。しかも、PCも携帯電話も持たずに旅に出て、旅先から手紙を書いて送ってほしいというのだ。

 彼女の要望に当惑しつつも、ラリーは日本へ旅立つ。成田、東京、京都、大阪、九州、北海道と日本各地に足を踏み入れるうち、彼はすっかり未知の体験に魅了されていく。そして旅の最後に自分自身の大きな秘密に出合うことになるのだが……。

 本書は、米国人青年の目を通して語られる、日本の魅力発見小説。肌をくるむような湿気、醤油と味噌のにおい、数分の遅れでも謝罪する交通機関、快適さの追求に余念のない精密便器、傷のない車の群れ、美術品のような食事など、日本人にとって当たり前でも実は当たり前ではない日本をラリーの目を通して再体験できる。(小学館 1500円+税)

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