「虫樹音楽集」奥泉光著

公開日: 更新日:

 30年前、高校生だった「私」は、先輩が出演するライブで、共演のサックス奏者・渡辺猪一郎、通称「イモナベ」から声をかけられる。私が持っていたカフカの「変身」の文庫本を見て、この本の書名は本来「変態」と訳すべきなのだと教えてくれたのだ。

 数年後、私はイモナベが「孵化」と題したコンサートのステージで演奏中に全裸になったと耳にする。

 さらに数年後、私は彼が「幼虫」と題したソロライブシリーズを行っていることを知り、彼がステージで裸になった理由が分かった気がして、ライブに足を運ぶ。孵化して幼虫になったイモナベは、変態のときをまっているようだった。(「川辺のザムザ」)

 名作「カフカ」の世界観とジャズを融合させた連作短編集。(集英社 640円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網