「ふくろう」梶よう子著

公開日: 更新日:

 西丸書院番士として出仕が決まった鍋次郎は、3年前に結婚した妻・八千代の懐妊も分かり、人生の春を迎えていた。初登城を控えたある日、立ち寄った茶店で鍋次郎の顔を見た年老いた浪人が突然、土下座して許しを請い始める。鍋次郎は老武士の顔に心当たりがない。連れの嫁によると浪人は気鬱の病を患っているという。数日後、出先で再会した浪人は、鍋次郎の顔を見るなり怯え、橋の上から身を投げる。そんな中、納戸で父の日記を見つけた鍋次郎は、誕生年である文政5年の日記に自分の名前が出てこないことに不審を抱く。出生の秘密を探る鍋次郎は、自分の本当の父親が城中で刃傷事件を起こした松平外記だと知る。

 史実「千代田刃傷」をもとに描く時代小説。

(講談社 680円+税)

【連載】文庫あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因