「死ぬまでに行きたい世界の図書館」 伊勢出版(世界の図書館再発見委員会)編

公開日: 更新日:

 読書好きにとって図書館や書店は、時間を忘れて本と過ごすことができる至福の場所。しかし、動物園や博物館と異なり、国内はともかく海外旅行中に旅先で現地の図書館を訪ねるのは、なかなかハードルが高い。ガイドブックに現地の図書館情報が載っていることもまれだ。

 本書は、そんな情報のニッチを埋めてくれる世界の図書館ガイドブック。

 たとえ言葉の問題を抱えていようとも、その建物としての美しさ、館内を満たす空気、歴史、そして何よりもあふれんばかりの蔵書の数々と、一歩足を踏み入れただけでワクワクしてくるに違いない、世界各地のお薦め図書館を紹介してくれる。

 まずは「一生に一度は見ておきたい話題の図書館ベスト3」。その中のひとつ、マンハッタンのど真ん中に位置する「ニューヨーク公共図書館」のボザール様式の重厚な建物は、ニューヨークにおいても一目を置かれる存在。

「Public」を公立ではなく公共と訳すのは、設置主体が市ではなく独立法人で、財政基盤も寄付やイベントの収益で成り立っているからだとか。1911年完成の外観もさることながら館内も格式高く、映画の世界に迷い込んでしまったかのような錯覚さえ覚えるが、実際は誰でも無料で利用できる、庶民のための図書館なのだ。収蔵数も分館と合わせ5300万点と群を抜いている。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    自民党は戦々恐々…公明党「連立離脱」なら次の衆院選で93人が落選危機

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    俺と巨人ガルベスの大乱闘の一部始終…落合博満さんのヘッドロックには気を失いかけた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の抑え起用に太鼓判も…上原浩治氏と橋本清氏が口を揃える「不安要素」

  5. 5

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  1. 6

    侍J井端監督 強化試合メンバー発表の裏に「3つの深謀遠慮」…巨人・岡本和真が当選のまさか

  2. 7

    メジャー今オフにも「二刀流ルール」撤廃の可能性…ドジャース&大谷翔平に他球団のやっかみ集中

  3. 8

    “児童ポルノ”で衝撃逮捕!日本サッカー協会・影山技術委員長の素性…「精神的な負担を抱えていた」の声も

  4. 9

    奈良の鹿愛護会が語った現場のリアル…「シカさんをいじめるな!」の裏に横たわっている大問題

  5. 10

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発