映画界、出版界も注目 なぜいまヒトラーなのか?

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「アウシュヴィッツの図書係」アントニオ・G・イトゥルベ著、小原京子訳

 ユダヤ人強制収容所に図書室? 実は収容所では囚人たちが秘密裏に学校をつくり、本を集めて生徒たちに貸し出していた。その「図書係」だったのが当時14歳のチェコ人少女だった本書の主人公ディタ。

 収容所生活は地獄も同然だが、そこは子どもの想像力。ボロボロになった世界地図を開けば心はたちまち世界旅行に出掛け、軍隊生活を皮肉に描いた物語に笑い転げる。つらいはずの物語が不思議に明るいのはそんな主観世界を巧みに描いているからだろう。ディタは実在の人物だが、本書は彼女の物語を踏まえた小説。著者はスペインのジャーナリストだ。(集英社 2200円+税)


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