ポピュリズムの嵐吹き荒れる今こそ知りたい「動乱のロシア史」

公開日: 更新日:

「ロシア革命史入門」広瀬隆著

 独自の視点と歴史観をもとに原発問題や陰謀の世界史などに挑む著者が今度はロシア革命に取り組んだ。その出発点は、ロシア革命が左翼革命であるより前に「反戦運動」だった、という視点である。

 帝政時代の地下活動家のレーニンの来歴を生き生きと描き、政権のスパイが「どなりあう狂犬の集まり」とあきれた社会主義者の集団に強固な統制を持ち込んだレーニンの手腕に注目する。このとき彼の右腕となって急速に存在感を発揮したのが、グルジア人ヨシフ・ジュガシュヴィリ、すなわちスターリンであった。学者のアプローチとは一味違う読後感。(集英社インターナショナル 760円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    朝ドラ「あんぱん」豪ちゃん“復活説”の根拠 視聴者の熱烈コールと過去の人気キャラ甦り実例

  3. 3

    愛知県犬山市にある「もうひとつの万博」に行ってみた “本家”と違いストレスフリー&コスパよし

  4. 4

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  5. 5

    「時代と寝た男」加納典明(16)小熊を屋内で放し飼い「筋肉、臭い、迫力、存在感がぜんぜん違った」

  1. 6

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  2. 7

    緒形直人、中井貴一、佐藤浩市…名優のDNAを受け継いだ3人の息子たちの現在地

  3. 8

    元横綱白鵬 1億円“退職パーティー”の実態…超高級ホテルに太客大集結、札束乱舞のボロ儲け

  4. 9

    長嶋茂雄さんは助っ人外国人のセックスの心配もしていた。「何なら紹介してやろうか?」とも

  5. 10

    “中居正広寄り”の古市憲寿氏と視聴者のズレはどこで生まれた? フジ日枝批判での存在感は早くも過去のものに