「原子力規制委員会」新藤宗幸著

公開日: 更新日:

 福島第1原子力発電所事故をきっかけに、2012年9月に発足した原子力規制委員会の組織と活動を検証したリポート。

 原子力規制委員会とその事務局である原子力規制庁をめぐっては、原発を国策として推進することに利益を見いだしてきた「原子力ムラ」とのつながり、新規制基準の「緩さ」、再稼働審査の「拙速さ」などが科学者や市民運動家から指摘されている。

 一方で電力業界や政治家などからは事業者の言い分を聞かない「暴走する委員会」という真逆の批判を受けている。設置経過から活動まで詳細に検討、原発訴訟にみられる新規制基準に基づく委員会の判断への司法の評価なども考察しながら、「独立性」と「中立性」を備えた原子力規制機関のあるべき姿を提示する。 (岩波書店 820円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」