「『余り病』が命を奪う」渡辺正樹著

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 かつて日本人に多かったのは、脚気に肺結核に脳出血など、栄養が足りないことが発症の一因になる疾患だった。しかし現代の日本人には、動脈硬化による心疾患や脳血管疾患、そしてがんなど、必要以上に取り過ぎた栄養が体の中で“余りもの”となり、正常な組織の働きを損ねることで引き起こされるものが増えている。

 余りものとは内臓脂肪に活性酸素、そしてアルツハイマー病の原因にもなるタンパク質のアミロイドβなども含まれる。動脈硬化や認知症治療を専門とする著者は、これらの疾患を“余り病”と名付け、その予防法を伝授している。

 余り病は40代以降からリスクが高まるものが多く、20代の頃と比べて体重が増加している人は早急に対策が必要だ。

 ただし、若い頃の体重をキープしている人でも安心はできない。人間の筋肉は加齢によって小さくなる。筋肉は脂肪よりも重く、小さくなれば体重は減少する。年齢を重ねても体重が変わらないということは、その分、脂肪が増えているということで、余り病の危険信号なのだという。

 対策としては食事療法によるメタボ解消はもちろんだが、自律神経を整えることも忘れてはならない。自律神経が乱れていると代謝が低下し、活性酸素も増え、余り病を進行させる恐れがあるという。朝型生活や適度な有酸素運動、自律神経によいビタミンB12を豊富に含む魚介類を積極的に取るよう心がけることもお勧めだ。 (主婦の友社 1400円+税)

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