「未来」湊かなえ著

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 佐伯章子は成績が良く自立した考えを持つ小学4年生。やさしくて思いやりのあるパパと美人だけど時々心をなくして人形になってしまうママとの3人暮らし。

 ところが、4年生の最後の春、大好きなパパが死ぬ。

 そんな折、自宅のマンションのポストに一通の手紙が入っていた。驚いたことに差出人は20年後の自分だった。誰かのいたずらかと思ったが、自分しか知らない出来事が書かれ、今年10周年を迎えた東京ドリームマウンテンの30周年記念のしおりが同封されていた。以後、章子は未来の自分宛てに手紙を書き始める。学内でのいじめ、ママの病気、祖母から聞かされた両親の結婚の秘密等々、つらいことがふりかかってくるが、章子はけなげに対処していく。

 おや? いつもの湊かなえらしくない明るい話だなと首をかしげるかもしれない。ご安心あれ。ある事件をきっかけに、章子はけなげさなど全く通用しない奈落の底へ突き落とされるのだ。

 終盤は、明と暗、善と悪とが反転し、一気に湊かなえワールドが展開されていく。二人称小説という難題に挑んだ野心作。

(双葉社 1680円+税)


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