「ほどほどのすすめ」池田清彦著

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 東大の高橋迪雄(みちお)名誉教授によれば、人間は穀類を食べるようになってから働かざるを得なくなったという。動物には必須アミノ酸の摂取が欠かせないが、ライオンはタンパク質を少しだけ取って後は寝て暮らす。

 一方、草はほとんどが炭水化物でタンパク質はわずかだから、草食動物は大量の草を食べなくてはならず、しかも炭水化物のエネルギーを消費するために体を動かさなくてはならない。人間も狩猟採集民だった頃は少しだけ食べ物を取れば足りたのに、農耕民になってから過剰エネルギーを解消するためにせっせと労働するようになったのだ。

 読むと、ワーカホリックから抜け出せそうな気になる本。

(さくら舎 1400円+税)

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