「選んだ孤独はよい孤独」山内マリコ著

公開日: 更新日:

 子どもの頃から、なぜか班長や学級委員などの役回りを担うことになりがちな「ぼく」は、入学したサッカーの強豪高校で1年上の先輩たちが素晴らしい成績を叩き出していくのを目撃する。

 全国大会優勝というお祭り騒ぎのなか、強豪ぞろいの先輩がごっそり抜けて代替わりした次の年のことをふと考える。きっと自分がキャプテンに選ばれ、華々しくないメンバーを率いることになる。そう気づいた途端、胃が痛くなってくるのだった……。(「さよなら国立競技場」)

 2008年に「16歳はセックスの齢」で「女による女のためのR―18文学賞読者賞」を受賞して以来、女のリアルを描いてきた作家が初めて描いた、男の「生きづらさ」がテーマの短編小説集。

 男社会の掟にがんじがらめになり、生き方を選べない男たちの生態を鋭い観察力で描写する。妻から突然浴びせられる暴言、本当は言いたくても言えなかった本音など、恐ろしいほど身に覚えのある言葉に遭遇すること必至だ。

(河出書房新社 1200円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    株主82万人に拡大も…前澤友作氏「カブ&ピース」のビジネスモデルは法規制に大きく左右される

  2. 2

    ゾンビたばこ羽月隆太郎「共犯者暴露」の大きすぎる波紋…広島・新井監督の進退問題にまで飛び火か

  3. 3

    高畑裕太の“緊急声明”で蒸し返された千眼美子(清水富美加)との「異常な距離感」と“米粒騒動”

  4. 4

    球界薬物汚染が拡大の様相…“ゾンビたばこ”羽月隆太郎が証言「他にもいる」の信憑性

  5. 5

    広島“羽月ショック”に揺れる中…24年ドラ1佐々木泰に藤井ヘッドがカミナリを落としていた

  1. 6

    高市首相の2大疑惑「経歴詐称」「違法広告動画」に大手メディア沈黙のワケ…SNSは「なぜ報じない?」と大荒れ

  2. 7

    安青錦が丸ごと吐露…相撲との出会い、日本語習得、「腹違いの兄貴」

  3. 8

    高市自民に「卑怯」「選挙やり直せ」とSNS大炎上! 違法「広告動画」出稿疑惑は拡大必至

  4. 9

    医学部に進学した息子のために老後破産したエリートサラリーマンの懺悔

  5. 10

    橋本環奈“パワハラ疑惑”報道の時限爆弾炸裂! CMランキング上位から圏外陥落の大ピンチ