「浄瑠璃坂の仇討ち」坂本俊夫著

公開日: 更新日:

 仇討ちといえば赤穂浪士の討ち入りが有名だが、実はそれ以前は、仇討ちといえば「浄瑠璃坂の仇討ち」だった。

 赤穂浪士の討ち入りの30年ほど前の寛文12(1672)年の出来事である。

 その4年前に宇都宮城主奥平忠昌の葬儀の場で、家老の奥平隼人と奥平内蔵介が口論し、抜刀しての争いが起きた。その後、内蔵介が切腹を願い出たが許されぬまま、負傷がもとで無念の死を遂げる。隼人には切腹の沙汰がなかったため、不公平と感じた内蔵介の息子、源八と親族らが、3年後、市谷浄瑠璃坂上にある屋敷で隼人を討つという事件である。

「江戸3大仇討ち」のひとつといわれ、赤穂の大石内蔵助が参考にしたという説もある仇討ちを詳細に検証した歴史本。

(現代書館 2000円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁の「清純派枠」を狙うのは"二股不倫報道”の田中圭と同じ事務所の有望株という皮肉

  2. 2

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  3. 3

    橋本環奈『天久鷹央の推理カルテ』コア視聴率も低迷…パワハラ報道前からあった"上げ底人気"疑惑

  4. 4

    趣里と三山凌輝に結婚報道…“希代のワル”羽賀研二を彷彿とさせる男の登場に水谷豊どうする?

  5. 5

    慶応幼稚舎の願書備考欄に「親族が出身者」と書くメリットは? 縁故入学が横行していた過去の例

  1. 6

    ベッキー不倫騒動が教訓 LINEはこうして筒抜けになる

  2. 7

    自民“裏金議員”西田昌司氏が沖縄戦に許しがたいイチャモン…次期参院選に推薦した公明は真っ青

  3. 8

    上智大は合格者の最大40%も…2021年から急増した「補欠合格」の現状

  4. 9

    人間の脳内のマイクロプラスチック量は「使い捨てスプーン」サイズ…8年前より1.5倍に増えていた

  5. 10

    嵐「解散ビジネス」で荒稼ぎの皮算用…総売り上げは500億に? 2026年5月に活動終了