「潜在殺」渥美饒児著
静岡県下最大の暴力団、黒岩組が、下部組織の侠誠會に絶縁状を出し、侠誠會の若頭の銃殺死体が発見される。科捜研の鑑定で凶器の拳銃は日本警察官の正式拳銃、ニューナンブの密造銃かも知れないという結果が出た。
静岡県警の沖田は県内の拳銃製造工場の退職者、平沢幹夫が服役していた三重刑務所に、同じ頃、黒岩組の舎弟頭が服役していて、沖田の部下が、平沢がオートバイ部品の工場に薬きょうらしきものの製造を依頼したことを探り出した。
沖田らは平沢の自宅に踏み込むが、そこには血まみれの死体があり、警察内部に内通者がいる疑いが浮上する。
元マル暴特捜刑事が絶賛する警察小説。
(河出書房新社 1600円+税)