「没イチ」小谷みどり著
著者は第一生命のライフデザイン研究所で“死の前後”にまつわるテーマで研究している。
ある朝、目覚めてみたら夫が死んでいた。親族以外に夫の上司に連絡しようと思って、自分が夫の交友関係をほとんど知らないことに気づき、愕然とする。
葬儀後、夫が過労死だったかもしれないと過労死申請の手続きをすると、夫の同僚から「会社を訴えているらしい」と噂されたが、夫を無駄死にさせたくないと考えた。
立教セカンドステージ大学で講義をしているとき、妻を亡くした男性と知り合い、「没イチ会」を結成する。一人暮らしで介護が必要になったり、施設に入居しなくてはいけなくなったときなど、いざというときに必要なアドバイスが詰まった頼りになる一冊。
(新潮社 1400円+税)