「青線」八木澤高明著

公開日: 更新日:

 全国各地の非合法な売春地帯「青線」とその跡地を歩くルポルタージュ。

 公認売春は、江戸時代の吉原に始まり、戦後まで公娼制度によって合法とされてきた。赤線と呼ばれるそうした公認の場所は江戸・明治の遊郭から派生したものが多いが、青線は監視の目を欺くため飲食店を装い、その場所も数もはっきりとしない。1957年の売春防止法以降、娼婦たちが赤線から青線に流れ、青線地帯が売春の中心地になっていったという。

 相模原周辺の米軍基地に駐屯する占領軍の兵士相手にできた町田の青線地帯「とんぼ」や、時効の3週間前に逮捕された殺人犯・福田和子が体を売りながら逃亡生活をつづけた各地の色街など、北海道から沖縄まで青線地帯を歩きながら、土地の歴史と今を描く。

(集英社 840円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 2

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  3. 3

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  4. 4

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  5. 5

    海星・陣内優翔は長崎県初の“完全男”だが…スカウトが「上位獲得」を渋るワケ

  1. 6

    中居正広氏は法廷バトルか、泣き寝入りか…「どちらも地獄」の“袋小路生活”と今後

  2. 7

    綾瀬はるか3年ぶり主演ドラマ「ひとりでしにたい」“不発”で迎えた曲がり角…女優として今後どうする?

  3. 8

    中山美穂「香典トラブル」で図らずも露呈した「妹・忍」をめぐる“芸能界のドンの圧力”

  4. 9

    長崎を熱狂させた海星・酒井圭一さんが当時を語る…プロ引退後はスカウトとして大谷翔平を担当

  5. 10

    安藤サクラ「柄本佑が初めて交際した人」に驚きの声…“遊び人の父”奥田瑛二を持つ娘の苦悩