「最強のアンチエイジング 食事術51 運動術26」 黒田愛美著

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 アンチエイジング専門医であり、トライアスロンの日本代表選手にも選ばれた経験を持つ著者は、健康志向の人が体にいいと思ってやっている多くのことが、実は逆効果になっている可能性が高いと警告している。

 例えば、カロリーゼロの人工甘味料の摂取である。アスパルテームやアセスルファムKなどの人工甘味料は、“糖質ゼロ”系の炭酸飲料や酒類などに使われており、一見するとダイエットのお供によさそうだ。しかし、これらは体内に入ると細胞の代謝を悪くする性質があり、太りやすい体質になるばかりか、細胞の老化も招いてさまざまな生活習慣病につながりかねないのだという。

 カフェインの摂取も問題だ。交感神経を刺激してアドレナリンを分泌させるカフェインは、運動や仕事の前に取ると興奮状態をつくることができ、一時的なパフォーマンスの向上につながる。ところが同時に、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌も促進させることも分かっている。この状態が続くと、副腎と呼ばれる臓器が疲弊し、慢性疲労の原因となってしまう。

 運動のし過ぎもかえって疲労や老化につながる恐れがある。近年、免疫力アップや細胞の再生力アップなどの作用を持つDHEAという抗酸化ホルモンが注目されており、体内での数値が高い人ほど寿命が長いという研究結果も出ている。

 ところが、日常的にハードな運動をしている人の体内ではDHEAが激しく消費され、不足してしまうことが分かってきたのだ。ランニングなら、普段から運動している人で7~10キロ、運動習慣のない人なら3キロぐらいにとどめるのがお勧めだ。

 健康長寿を目指したいなら、「正しい食事」と「正しい運動」を知らなければならない。

(文藝春秋 1400円+税)

【連載】長生きする読書術

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