「ロケット・ササキ」大西康之著

公開日: 更新日:

 シャープで電卓開発の指揮を執り、後に「電子工学の父」と呼ばれた佐々木正氏の評伝。

 1915(大正4)年生まれの佐々木は、台湾で育ち、京大に進学して電子工学を専攻。学生時代から逓信省で電話機の開発などに携わり、戦中はレーダーや電波兵器の研究・開発に従事させられる。戦後、GHQに派遣されたアメリカで研修中、ベル研究所で後にノーベル賞を受賞するバーディーン氏らと交流。彼から、開発に成功したばかりのトランジスタの存在を教えられた氏は、帰国後に、他社に先駆けトランジスタの研究を始め、いち早く量産に成功する。

 電子立国・日本の礎を築き、ソフトバンクの孫正義やアップルのジョブズらに影響を与えた偉大な科学者の一生を描く。

(新潮社 520円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  2. 2

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  3. 3

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  4. 4

    清原果耶「初恋DOGs」にファン失望気味も…《低視聴率女王》待ったなしとは言い切れないウラ事情

  5. 5

    会議室で拍手が沸き起こったほどの良曲は売れなかった

  1. 6

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  2. 7

    兵庫は参院選でまた大混乱! 泉房穂氏が強いられる“ステルス戦”の背景にN党・立花氏らによる執拗な嫌がらせ

  3. 8

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  4. 9

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  5. 10

    新横綱大の里が直面する「遠方への出稽古慣れ」…車での長距離移動は避けて通れない試練に