「20 誤判対策室」石川智健著
裁判官訴追委員会の下部組織、誤判対策室は、死刑囚の再審請求を精査して冤罪がないか探るための組織だ。そこに所属する刑事、有馬英治は三ノ輪署に向かった。殺人事件で自首した紺野真司が突然、否認に転じ、有馬以外にはしゃべらないと言いだしたからだ。
元裁判官という紺野は有馬に、ゲームをしようと持ちかけた。有馬が紺野を起訴まで持ち込めれば、紺野は刑に服す。だが、起訴できなかったら、有馬の娘、詩織を殺す、と言う。
紺野は有馬が婚姻外につくった娘、詩織の住まいや日常生活を調べあげていた。その後、詩織から連絡があった。彼女のスマートフォンには「有馬英治 ゲームは始まっている」と書かれた紙が刃物で突き刺された画像が写っていた。
娘と孫の死の真相を探るため、殺人犯が刑事に仕掛けたゲームの謎を解く。
(講談社 1600円+税)