「20 誤判対策室」石川智健著

公開日: 更新日:

 裁判官訴追委員会の下部組織、誤判対策室は、死刑囚の再審請求を精査して冤罪がないか探るための組織だ。そこに所属する刑事、有馬英治は三ノ輪署に向かった。殺人事件で自首した紺野真司が突然、否認に転じ、有馬以外にはしゃべらないと言いだしたからだ。

 元裁判官という紺野は有馬に、ゲームをしようと持ちかけた。有馬が紺野を起訴まで持ち込めれば、紺野は刑に服す。だが、起訴できなかったら、有馬の娘、詩織を殺す、と言う。

 紺野は有馬が婚姻外につくった娘、詩織の住まいや日常生活を調べあげていた。その後、詩織から連絡があった。彼女のスマートフォンには「有馬英治 ゲームは始まっている」と書かれた紙が刃物で突き刺された画像が写っていた。

 娘と孫の死の真相を探るため、殺人犯が刑事に仕掛けたゲームの謎を解く。

 (講談社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘