「クオリティランド」マルク=ウヴェ・クリング著 森内薫訳

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 物語の舞台は、世紀の経済危機を契機に生まれた新国家「クオリティランド」。危機から脱出するため企業コンサルタントによって国家名もかえた新国家では、国民はあらゆる情報によって1~100のレベルにランク付けされている。

 人々は、仕事から人間関係までがアルゴリズムで最適化されており、車は自動運転、買い物は注文しなくても本人が望んでいると判断されたものが自動的にドローンで届くようになっている。

 主人公のペーター・ジョブレスのレベルは10。まともに扱われるギリギリのラインにいる状態だ。ところが、あることを契機に役立たずといわれる1桁レベルに転落してしまい、さまざまな不都合に直面することに。

 あるとき、欲しくもない商品が届いたことに腹を立てて、返品しようとするのだが、そこには巨大なシステムの壁が立ちはだかっていた……。

 2017年にドイツで出版されて大ヒットした「QUALITYLAND」が原作。AIで情報が集約&管理された世界で起こるさまざまな出来事を風刺的に描く。SFのはずが、事象の多くがすでに現実になりつつあることに背筋が凍る。

(河出書房新社 2900円+税)

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