「ルポ『8050問題』」池上正樹著

公開日: 更新日:

「8050問題」とは、80代の親が収入のない50代の子の生活を支え、助けを求めようとせず、孤立している世帯を指す。行政の支援が届かないまま、親が先に死に、そのまま子も死んでしまう事件や、親の死を受け入れられない、あるいはどうすることもできない子が遺体を放置して逮捕されてしまう事件などが相次いでいる。経済的観点から見ると、周囲には生活に問題がないと判断され、支援の対象になりにくい。しかし、著者は将来の予防的な観点が見落とされていると指摘する。北海道からたびたび上京してひきこもる55歳の息子の面倒と生活費、ローン返済まで負担している80代の老夫婦など。さまざまなケースを紹介しながら、その実態を伝え、支援のあり方、社会のあるべき姿を問う問題提起の書。

(河出書房新社 840円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃