「街場の日韓論」内田樹編

公開日: 更新日:

 在日コリアンを研究している文化人類学者の伊地知紀子は、修士論文を書くために大阪市生野区を訪れた。そこで出会った人の多くが済州島出身だと知って調査を始める。

 生野区の在日コリアンの女性は日本語も朝鮮語も読み書きを学ぶ機会がなかった。

 1956年に密航してきたハルモニ(おばあさん)は、朝鮮市場のよその店先を借りて段ボール箱の上でキムチを売っている。別のハルモニは、横になって寝る時間を惜しんで、座ったまま内職をして7人の子どもを育てた。彼女たちは、こういう生活があんたにできるかと伊地知に問いかける。

 他に「隣国を見る視点」(中田考)など、11人の執筆者による日韓論。

(晶文社 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁