山口祐二郎という右翼はなぜ排外主義者と闘うのか 近著を読む

公開日: 更新日:

 山口祐二郎は21歳から10年間以上、右翼活動に心血を注いできた。右翼団体「憂国我道会」を立ち上げ、ネトウヨ(ネット右翼)と呼ばれる差別主義者と連中と一歩ひかず対峙し続けている。第一次安倍晋三政権時代の2007年には「アメリカの傭兵化が進む防衛省」に火炎瓶を投擲して逮捕されたこともある──。

 そんな話を聞くと、どんな強面かと思うが、山口ほどいつもニコニコしていて謙虚な態度の人物も珍しい。この日もカウンターをしているというラッパーらも参加する川崎の会合で焼肉をつまみながら雑談をしていたのだが、終始ニコニコしていた。どこで本に書かれているような爆発力を見せるのかと思うのだが、山口の右翼としての怒りは、自らのためにではなく他者のための怒りなのであろう。

 そんな山口の近著「ネット右翼vs.反差別カウンター  愛国とは日本の負の歴史を背負うことだ!」(モナド新書)では「右翼は差別しない」と言い切った右翼・野村秋介の生き様を胸に、在日外国人への差別と闘って来たいきさつが書かれている。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  3. 3

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  4. 4

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  5. 5

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  1. 6

    12月でも被害・出没続々…クマが冬眠できない事情と、する必要がなくなった理由

  2. 7

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  4. 9

    黄川田地方創生相が高市政権の“弱点”に急浮上…予算委でグダグダ答弁連発、突如ニヤつく超KYぶり

  5. 10

    2025年のヒロイン今田美桜&河合優実の「あんぱん」人気コンビに暗雲…来年の活躍危惧の見通しも