「巨悪」伊兼源太郎著

公開日: 更新日:

 東京地検特捜部の検事・中澤は、大手運送会社の社長・鷲田の脱税事件を担当するが、証拠が見つからず立件できない。検察事務官の城島が、先代から仕える番頭・陣内の手帳で見つけた和菓子購入の記録も事件とは無関係だった。中澤と城島は高校時代の友人だったが、中澤の妹の死以来、特捜部で再会するまで顔を会わせたことがなかった。

 その後、中澤は国土交通大臣の選挙違反事件の捜査に加わる。捜査が進む中、大臣に不審な政治団体から多額の献金があることが判明。さらに秘書・赤城の指示で彼の義兄が大量のミネラルウオーターを定期的にある倉庫に搬入していることも分かる。その倉庫の所有者は鷲田の会社だった。

 東日本大震災の復興予算2兆円をめぐる闇を描いた社会派ミステリー。

(講談社 1000円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  2. 2

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  3. 3

    「二刀流」大谷翔平と「記録」にこだわったイチロー…天才2人の決定的な差異

  4. 4

    中居正広氏は37年で築いた資産喪失の瀬戸際…不動産複数所有で倹約家も「違約金+α」の脅威

  5. 5

    フジテレビにとって“CMスポンサー撤退”より危険な「致命的リスク」とは? 企業危機管理の専門家がズバリ

  1. 6

    “天皇”日枝久氏しか知らない「ジャニーズ圧力」「メリーの激昂電話」 フジテレビは今こそ全容解明を

  2. 7

    橋本環奈『おむすび』はNHK朝ドラ視聴率ワーストほぼ確定…“パワハラ疑惑報道”が致命傷に

  3. 8

    巨人の50億円助っ人マルティネス 真面目でお人よしなだけに深刻な「2つの重圧」

  4. 9

    “かつての名門”武蔵の長期低落の深刻度…学習塾「鉄緑会」の指定校から外れたことも逆風に

  5. 10

    リアル店舗にこだわり続けるホビーショップ 経営危機からのV字回復は「脱 安売り」だった