「車窓の風に吹かれて」『旅と鉄道』編集部編

公開日: 更新日:

 作家の森見登美彦は「旅と鉄道」の取材で、姫路から姫新線、芸備線、三江線、山陰本線を単行線でたどり、益田に行くことになった。芸備線は地元の高校生でいっぱいだったが、「野馳」という駅でみんな降りてしまい、がらがらに。19時35分に備後落合駅に着いたときは森見と担当編集者の矢玉だけになっていた。

 ホームの向かい側にぽつんと待っていた三次行きの列車に乗り移る。「もし我々が乗ってなかったら」と森見が言うと、矢玉は「誰もいない列車が来て、ホームの反対側から、誰もいない列車が出発するだけでしょう」と答える。「それは美しいなあ」(「単行列車で陰陽の脊梁をゆく」)

 他に、梯久美子、島尾伸三ら13人が、懐かしの鉄道の旅をつづる。

(天夢人 1760円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  2. 2

    ヤクルト村上宗隆の「メジャー契約金」は何億円?

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希もようやく危機感…ロッテ時代の逃げ癖、図々しさは通用しないと身に染みた?

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    吉沢亮「国宝」150億円突破も手放しで喜べない…堺雅人“半沢直樹ブーム”と似て非なるギャラ高騰の行方

  1. 6

    「SIAM SHADE」DAITAがメンバー4人を提訴報道…人気バンドを巡る金銭問題と、「GLAY」は別格のワケ

  2. 7

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  5. 10

    《あの方のこと?》ラルクhydeの「太っていくロックアーティストになりたくない」発言が物議