「『現代優生学』の脅威」池田清彦著

公開日: 更新日:

 高度な社会の実現を目的に「優秀な人間の血統のみを次世代に継承し、劣った者たちの血筋は断絶させるか、もしくは有益な人間になるよう改良する」――こうした「優生学」の研究に強く影響されたナチスは、障害者の「断種」やユダヤ人の大量殺戮(さつりく)を決行。戦後、その反省から優生学の研究はタブーとなった。

 しかし、中絶を助長する出生前診断や重度障害者や終末期の高齢者への支出削減の動きなど、近年、優生学的な傾向を持つ考えが多方面で顕著になりつつある。こうした潮流は、旧来の優生学から離れ、「生産性のない人間を直接淘汰する」という過激な方向へ向かいつつある。

 優生学の歴史を振り返り、コロナ禍で一層顕著になりつつあるこうした「現代優生学」の危険性を説く警世の書。

(集英社インターナショナル 902円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  2. 2

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  3. 3

    なぜ「愛子天皇」ではダメなのか? 美智子さまが心情を吐露する出版物を準備中…と政界で話題

  4. 4

    鈴木紗理奈以外にもいた…あのちゃんが過去に口にしていた“キライな芸能人”の実名

  5. 5

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  1. 6

    日本ハムがソフトBに8戦全敗の悲惨…崩壊投手陣が口にする「伏見寅威ロス」

  2. 7

    元サッカー日本代表・大津祐樹さんはビジネスでも成功 年商300億円の高級腕時計会社の社長に

  3. 8

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  4. 9

    DeNAビシエド電撃引退のウラとフロント批判殺到の必然《もうハマスタに行こうとは思わない》

  5. 10

    文科省「教育の政治的中立性」で波紋…なぜ森友学園がセーフで、同志社国際がアウトなのか?