「悲劇の世界遺産」井出明著

公開日: 更新日:

 世界遺産制度の趣旨は、人類にとっての「顕著な普遍的価値」を次世代に引き継ぐことであるから、戦争や災害などの「悲劇の記憶」もその対象となり、その数は相当数にのぼる。そうした「悲劇の記憶を巡る旅」=ダークツーリズムの視点から、世界遺産を訪ね思索を深めるための案内書。

 ダークツーリズムは、被災地を旅することと誤解されがちだが、その目的は「悲劇の記憶を共有し、継承した上で、教訓化する」ことにある。世界遺産やダークツーリズムについての基礎的な考え方を解説した上で、多層的な問題意識を訪問者になげかける「アウシュビッツ」をはじめ、「軍艦島」などが含まれる「明治日本の産業革命遺産」などを実際に巡りながら、どのように向き合うべきかを論じる。

(文藝春秋 1210円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TBS「ラヴィット!」の“テコ入れ”に不評の嵐! グダグダぶりを楽しむ独自性損失で視聴者離れ加速危機

  2. 2

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  3. 3

    「オールスター感謝祭」で“ブチギレ説教” …島崎和歌子は今や「第2の和田アキ子」の域

  4. 4

    NHK朝ドラ「風、薫る」巻き返しを阻む“最大のネック”…見上愛&上坂樹里Wヒロインでも苦戦中

  5. 5

    米国とイランが2週間の停戦合意も日本は存在感ゼロ…お粗末すぎた高市外交を識者「完全失敗」とバッサリ

  1. 6

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  2. 7

    高市政権が非情の“病人切り捨て”強行で大炎上! 高額療養費見直し「患者の意向に沿う」は真っ赤なウソ

  3. 8

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  4. 9

    JFAは森保一氏の“囲い込み”に必死 W杯後の「次の日本代表監督」のウワサが聞こえない謎解き

  5. 10

    『エニイ・タイム・アット・オール』1964年のジョンのギターを聴くだけで元気が出る