著者のコラム一覧
堂場瞬一作家

1963年、茨城県生まれ。2000年「8年」で第13回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。警察小説、スポーツ小説などさまざまな題材の小説を発表している。著書に「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズ、「焦土の刑事」「動乱の刑事」「沃野の刑事」など多数。2021年、作家デビュー20周年を迎え、出版社を横断したプロジェクトが進行中。

<90>相手が事件に関係していたら話は別だ

公開日: 更新日:
イラスト・宮坂猛

 三澤は、市村という名前に反応しなかった。少なくとも、海老沢が見た限りでは。高峰も何も言わない。職業こそ違え、経験を積んだ者同士の無言のぶつかり合い。海老沢は、すぐに話に割って入りたいという気持ちを何とか抑えた。事前の打ち合わせなしだから、高峰が急に何か言い出した時に止める暇もな…

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