「死は最後で最大のときめき」下重暁子著

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 80代なかばとなり、死を身近に意識するようになった日々の中で紡がれるエッセー集。

 死はいつ訪れるのか。前もって知らされることがないだけに、死のレッスンは難しい。ならば、ドイツの言い伝えに「死は眠りの兄弟である」とあるように、眠りの中で死の練習ができないものかと、実践してみる。

 春になると必ず、かつての恋人の夢を見る。夢の中でときめき、幸せな朝を迎えた著者には、またいつか彼と会う日が来るという期待がある。だから、死が訪れるときも、最後で最大のときめきがやってくると信じているとつづる。

 他にも、老女優や最愛の猫の死、パリのノートルダム大聖堂の焼け跡で感じたことなどを話題に、人生の最終章をいかに生き、輝かせるかを自らに問い続ける。

(朝日新聞出版 869円)

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