堂場瞬一
著者のコラム一覧
堂場瞬一作家

1963年、茨城県生まれ。2000年「8年」で第13回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。警察小説、スポーツ小説などさまざまな題材の小説を発表している。著書に「警視庁犯罪被害者支援課」シリーズ、「焦土の刑事」「動乱の刑事」「沃野の刑事」など多数。2021年、作家デビュー20周年を迎え、出版社を横断したプロジェクトが進行中。

<115>潜伏先のアパートを仲間内の合図でノック

公開日: 更新日:
イラスト・宮坂猛

 海老沢は、後輩の刑事三人と福島にいた。身を切るような風とはこういうことだ……分厚いウールのコートを着ていても、風はコートを切り裂いて肌に突き刺さるようで、これは間違いなく風邪をひくな、と心配になった。他の刑事三人は、要領よくダウンジャケットなどの防寒着を着込んでいる。

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